ゲーム業界に就職していない僕が専門学校ゲーム制作科4年コースに入学してよかったと思えるたった1つの理由

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ゲーム業界に就職していない僕が専門学校ゲーム制作科4年コースに入学してよかったと思えるたった1つの理由

この記事の対象者

  • 特にやりたいことがないけど進学を考えている人
  • IT系の仕事をしたい人
  • 専門学校ゲーム制作科の実態を知りたい人

どうも、ゲーム業界とは全く関係ないネットワークエンジニアとして働いているヘレンです。

普通科の高校を卒業して一浪し、2010年ごろに某有名IT系専門学校のゲーム制作科に入学し4年間通っていました。

入学前からゲームクリエイターになるつもりはなく、他のIT系の学科も存在したのですが、あえてゲーム制作科を選びました。

なぜ僕がゲーム制作科を選んだのか、それによりどのような影響が自身にあったのか、あまり評判がよくない専門学校ゲーム制作科についての実体験、なぜゲーム会社に就職しなかったのかを書いていきます。

結論

情熱をもって夢を追いかけている人間と一緒に勉強したかったから

専門学校を選んだ経緯

高卒の人間が専門学校に入学する理由としてはいくつかあると思います。

専門学校を選ぶ理由

  • 自分の学びたい専門分野があるから
  • 就職に強いから
  • 大学受験に失敗したから
  • まだ働きたくないから

僕の場合は3でした。一浪して勉強をする気にならず、小さなころから家にパソコンとゲームがあったので他の仕事よりは自分に向いているんじゃないかというざっくりとした自己分析もあり、漠然とIT系の仕事をしたいと思っていたといういい加減な理由をもってIT系の専門学校を選びました。

数ある中から入学先の専門学校を選んだ理由は、生徒の数が多そうだからです。

ゲーム制作科を選んだ理由

冒頭に書いた通り、理由は情熱をもって夢を追いかけている人間と一緒に勉強したかったからです。

以下の感じの考えを経てゲーム制作科に決めました。

僕の考え

  • 将来IT系の仕事をすることは決めた
  • ただIT系の中で特にやりたいことがないから、IT系の学部であればなんでもいいや
  • 音楽が好きなので音楽科も考えたけど、潰しが効かなそうだからやめとくか
  • 大学に入れないやつだったり、まだ働きたくないやつが多いんだろうなー
  • そんなやつらが多くいる学部に入っても面白くなさそうだ
  • ゲーム制作科なら、本気で夢を追っているやつが多いんじゃないか?
  • どうせ行くならやる気あるやつらと一緒に勉強したい!

要約すると、"勉強内容よりも勉強環境を重視した"といったところでしょうか。

偏見もたくさんありますが、実際通ってみておおむね当たっていたと思います。

ともあれ、ゲームも好きだしあわよくばゲーム会社に就職できればぐらいな考えと、

ゲーム学科でもIT系の勉強はするはずなので、ゲーム会社に就職できなくてもIT系に潰しが効くのではないかという考えと、

やる気のある人間が周りにいれば自分も頑張れるんじゃないかという考えでゲーム制作科に決めました。

参考:ゲーム制作科とそれ以外のIT系学科のやる気の違い

ITにはいろいろな資格があります。必須教科としてITパスポート基本情報技術者試験という資格対策の授業がありました。

基本情報の取得率はゲーム制作科の方が高く、その他IT系学科は低かったです。

ゲーム業界に就職するためには資格はほとんど必要でないとされています。

資格よりも成果物(デザイナーなら絵、プランナーなら企画書)重視です。

その他IT学科の方が資格は必要にもかかわらず、基本情報ですら資格取得率が低いというありさまでした。

このことから、その他IT学科の方がやる気がない生徒が集まっているということがわかります。

2年コースではなく4年コースを選んだ理由

高卒でIT系の知識がない僕には単純に勉強時間が足りなさそうだと思ったからです。

実際、就職活動は卒業の1年半前から始まっていたので、2年コースでは実質半年しか勉強しないということになります。

しっかりと勉強をしたかったので、4年コースを選びました。

2年コースはIT業界経験者やすでに知識がある人、早く働きたい人などが入るべきでしょう。

ゲーム学科に入学してみて

ゲーム系の専門学校に関してですが、ネットでは「遊んでいるだけ」「意味がない」「お金の無駄」などの悪い評判が多いです。

実際に通っていた時に感じたことは以下になります。ああああああ

ゲーム学科の実情

  • 思っていたよりやる気のある人間が少なかった
  • ゲーム会社就職率は60%ぐらい
  • ゲーム業界に就職するためには授業外の努力が必須
  • 心配していたよりプログラミングは難しくはなかった
  • 決められた時間割に従って授業を受ける(小中高時代と同じ時間割制度)

1つずつ解説します。

思っていたよりやる気のある人間が少なかった

ゲーム学科だから、50%以上の人間が本気で夢を追っているんだろうなと入学前は考えていたのですが、実際には本気の人は20%程度でした。

それ以外はゲームが好きということだけで何となく入学して遊んでいる感じの人が多かったです。

そういう人は授業についていけなくなったり出席しなくなったりでどんどんいなくなっていきました。他のIT学科に編入するか退学するかという感じです。

僕は運のいいことに目論見通り入学早々本気の人たちと仲良くなれたので、勉強し始めて1週間でゲームを作り始めました。

全員知識も技術もがなかったので未完成に終わりましたが。。。

ゲーム会社就職率は60%ぐらい

僕の同期がだいたいこれぐらいで、60%という数字でもおそらく高い数字だと思います。

ゲーム業界は倍率が高く狭き門なので、就職すること自体が難しいです。

大卒組でもゲームを作りたいという人がたくさんいるのでライバルは専門学生のみではないです。

近年ではゲーム会社の人気が高く、採用方針も学歴を重視しているようなので、どんどん難しくなっています。

世間が認知しているようなゲーム制作会社に就職した人間は本気の人と一芸に秀でている人でした。

ここだけの話

某大きなゲーム会社では"変なやつ"という観点で採用を決めています。過去に"変なやつ"が大化けしたので、二匹目のドジョウを狙っているということをその会社に就職した同期から聞きました。

あまり世間では知られていないようなゲーム制作会社や、ゲームのデバッグを行う会社もこの中には含みます。

自分が目指していたゲーム会社に就職できたのは10%ほどだと思います。

それ以外は「ゲーム業界の末端でもいいから3年ほどこの会社で頑張ってステップアップする!」という考えの人が多かったです。

ゲーム業界に就職するためには授業外の努力が必須

授業を受けているだけではゲーム会社に就職できません。授業外の勉強が必須になります。

ゲームは作ってなんぼです。
授業では最低限のことだけを教わり、あとは自分たちでそれを活用してゲームを作ったりするということをしないと身に付きません。

この努力をするかしないかでかなり差がついていくことになります。

僕が実際やっていたのは、友達と週に一回ゲームの企画書草案をプレゼンしあう勉強会を開催していました。

自分以外の勉強会参加者はほとんどがゲーム会社に就職しています。

心配していたよりプログラミングは難しくはなかった

普通科の高校を出ていた僕はプログラミング未経験だったのですが、しっかりとした授業で基礎から学んだのでプログラミングを習得しました。

授業自体は丁寧で、誰にで理解できるような内容だったと思います。

ちなみに、習ったものはゲーム制作では言語はC/C++、その他はhtmlとCSSを学びました。

決められた時間割に従って授業を受ける(小中高時代と同じ時間割制度)

てっきり大学みたいに自分で授業を選べると思っていたのですが、時間割制度でした。

朝から夕方までがっつり授業をしている曜日が多かったです。

専門学校のゲーム制作科でダメになってしまうパターン

ここまででも自主性が大事だということはある程度伝わったと思います。

僕が見てきた中でどのようなことで勉強をしなくなってしまうかというパターンがいくつかあるので記述します。

授業についていけない

授業でしっかり教えてくれるのですが、それでもプログラミングは向き不向きがあるのでついていけないという人は少なからず存在します。

特にプログラミングは一番最初が難しいと思うので、そこで躓いている人が多かった印象です。

これに関してはたくさん努力するか、入学前に知識を身に着けておくといいかもしれません。

自分の場合

しっかり授業を聞いて自己学習することでついていきました。

バイト三昧

既に書いたように授業は時間割制度かつ授業外の勉強は必須という環境なので、バイトを多くしていると体が持ちません。

とにかく時間が足りないのでバイトはほどほどにしておいた方がいいです。

自分の場合

在学中は一切バイトをせず、親に甘えさせてもらいました。

ゲームを遊んでしまう

ゲーム制作を学ぶのでゲームを遊ぶことも大事です。

さらにまわりは全員ゲーム好きなので、遊び相手に困ることはありません。

しかし、その誘惑に負けてしまうとアウトです。永遠にゲームをするだけの人間になってしまいます。

自分の場合

好きなゲームが一人でやるようなものが多かったのでたまたま難を逃れることができました。

ゲーム会社に就職しなかった理由

専門学校内で刺激を与えてもらえるいい友達に出会い勉強していたのですが、僕は結局ゲームではないIT系の会社に就職しました。

理由は以下になります。

ゲーム会社に就職しなかった理由

  • ゲーム制作は大変だから
  • 一部を除いて待遇がよくない
  • 情熱が持てなかった

ゲーム制作は大変だから

たかが学生時代にゲームを作っていただけなので大きなことは言えないですが、ゲームを作るのは大変です。

優秀な友達と一緒に勉強させてもらっていたので、何回か成績優秀者と認められてグループワークのリーダーを経験したのですが、大変さを痛感しました。

学生が作成するゲームは"面白いコンセプトのミニゲーム"であることが多いのですが、ミニゲーム程度であれだけ大変なのだから、プロが作るゲームというのは何倍も難しいということが容易に想像できたので止めました。

実際にゲーム会社に就職した友人に話を聞くと「学校で習ったことは全然役に立たない」と言っている人が多かったです。

学生レベルでも大変だったのに、さらに難しかったようなのでゲーム会社に就職しなくてよかったです。

一部を除いて待遇がよくない

知名度の高いゲーム会社は別ですが、あまり知られていないようなゲーム会社だと給料が低かったり福利厚生があまりよくなかったりします。

既に記した方法の3年ほど頑張って経験を積み、大きなゲーム会社に転職するということも考えなかったです。

情熱が持てなかった

上の二つの理由もこれに集約されます。

ゲーム制作などのクリエイター業は自分がやりたいからやる、作りたいから作るというのが根底にあります。

そこまでの情熱は僕にはなかったので「ゲーム制作は大変」とか「待遇がよくない」という意見が出てくるのです。

良いか悪いかは置いておいて、ブラックであったり薄給であっても構わないと思っているクリエイターは少なくありません。

実際に僕の友達も考えられないような稼働とびっくりするぐらい低い給料で今でも働き続けている人はいます。

彼はそれでもよくて、僕はそれが嫌だったという話です。

まとめ

特に目指していることがないけどIT系の専門学校に入学するということであれば、ゲーム制作科に入学しやる気のある友達と仲良くなることをオススメします。

やりたいことがあるならそこに向かって進めばいいですが、ないのであれば自分が勉強しやすくなる環境に身を置くことが大事と感じます。

僕の場合はIT系専門学校の話ですが、大学だったり就職先にも当てはまる考えだと思います。

みんながみんなやりたいことがあるわけじゃないし、目標を持っていない人はいます。

それは良いことでも悪いことでもなくそれぞれの考え方なので尊重すべきです。

僕は4年間頑張ったけど、結果的にゲーム制作を仕事にしたいと思わなかったですがそれでよかったと思います。

実際、ゲーム会社に就職するための授業や勉強会をしていながらゲーム会社に就職するつもりはなかったという矛盾したことをしていたので、友達にも先生にもあまり理解されていなかったと思います。

勉強環境が大事という考えの人がいなくて、誰にも相談できなかったのでしんどかったですが、今となってはいい思い出です。

つい先日奨学金を返済できたので、振り返り的な感じで書かせていただきました。

この記事が誰かのお役に立てればと思います。

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